渡仏してすぐの頃・・
本屋で立ち読みをしている私のそばに、
1匹のラブラドール犬がニコニコしながら、
近づいてきて、、
私のそばから離れなくなった。
渡仏する前に、彼と一緒に育てていたラブラドール犬と同じ。
私の胸は詰まった・・悲しみで・・
自分の子供のように育てていたラブを手放した・・・
自分たちの勝手な都合で。
一緒にいることができなくなったから。
子供を育てることができなくなったからといって、
手放す親がいるだろうか・・
病気や何らかの理由でいるかもしれない。
その頃の私は自分のした事を許せず、、
犬があちこちにいるパリで、
犬を見ることができなくなっていて・・
私の服にラブの匂いが染み込んでいて、
狭い本屋で出会ったラブラドール犬は、
私のそばから離れなくなった・・・
ボロボロと涙が溢れてしまった。
自分のしたことを許せず、、
後悔、悲しみ、嫌悪・・・
嫌な感情がグルグル回っていて、
グルグルの負のスパイラルに引き込まれた。
何で、一緒に渡仏しなかったのか・・
自分のことで精一杯で・・
私が私じゃなかったら、
ラブも一緒に連れて行こう。と思えたかも・・
その前に、連れて行けないなら渡仏しなきゃよかった・・
ラブが私のとこにきてなければ、
彼は幸せだったはず・・
こうすればよかった、ああすればよかった・・・
そして、できなかった私はサイテー。
長い間、この悲しみと自己嫌悪でいっぱいの中に
閉じ込められ・・・
辛い日びが続いた。
ウツに導かれる原因の1つだった。
嫌なことばかりをグルグル思う。
変えられない過去を思う。
自分を責める。
自分が嫌になる。
他者と自分を比べる。
こんなにも嫌なことばかり考えていると、
脳だって嫌になる。
いい加減にしてくれよ、と。
私たちの脳は単純でデリケート。
そんなこと知らなかった・・